2016年7月3日日曜日

7月17日の LGBT+ 特別ミサ参加予定の皆様へ

LGBT+ 特別ミサ参加予定の皆様へ


2016年7月17日,日本のカトリック教会の歴史上初めて,LGBT+ の人々のためだけに特別に御ミサを立てていただけることになりました.主の恵みに感謝しましょう.また,司式を快く引き受けてくださいました神父様に感謝しましょう.

おりしも先月(2016年6月)23日,現代世界における教会の役割をテーマに国際学会が Dublin で行われた際に,教皇諮問会議を構成する 9人の枢機卿のひとりであり,ドイツカトリック司教会議議長の任に就いているミュンヘン大司教 Reinhard Marx 枢機卿が「我々の社会における同性愛者差別に関して,カトリック教会は同性愛者たちに謝罪すべきである」と述べました.

さらに,教皇 Francesco は,同じく先月の26日,アルメニア訪問からの帰途,機上記者会見で,改めて「同性愛の人が善意の人であり,かつ,神を求めているならば,そのような人を断罪するような我々は何者でしょうか?同性愛者を差別してはなりません.彼ら・彼女らを敬意を以て教会に迎え入れ,司牧的に彼ら・彼女らに寄り添わねばなりません」と強調し,そして,Marx 枢機卿の発言に賛同して,「カトリック教会は,傷つけてきた同性愛の人々に赦しを請わねばなりません」と断言しました.

このように,喜ばしいことに,今やカトリック教会は,主の愛の教えにしたがい,同性愛者差別をいましめ,同性愛の人々をあたたかく迎え入れることを約束しています.

しかし,トップの姿勢が信徒全体にまで徹底されるには多かれ少なかれ時間を要するのも事実です.また,同性愛の人々がひとりひとり,各自の小教区の教会共同体になじんで行くためにも時間がかかります.

LGBT カトリック・ジャパンが今回の特別ミサをイェス様にお願いしたのも,そのためです.とりあえず LGBT+ の人々だけが集まって,気兼ねなく主の恵みに与りましょう.そして,各人の悩みや喜びを分かち合いましょう.

周知のように,各国のカトリック教会は,司教団を上に頂くヒエラルキー化された組織です.LGBT の問題に関する教皇 Francesco の考えを信徒全体に周知徹底させるためには,やはり,トップの司教団が積極的に動く必要があります.つまり,日本カトリック司教会議のなかに,カリタスジャパンや部落差別人権委員会と並んで,sexual minority の人々のための司牧に関する諸問題を扱う部門または委員会が設置されることが望ましいと思われます.

そのような機関の設置を求めるために,LGBT カトリック・ジャパンは,特別ミサ参加者の皆さんの意見や要望を日本カトリック司教団へ伝える機能を果たしたいと思っています.御ミサの後に予定されているミーティングで皆さんのお話をうかがえれば幸いです.

また,今後の活動方針等に関しても,皆さんの御意見をうかがいたいと思っています.

ミーティングでは,お名前をおっしゃる必要はありません.匿名のままで結構です.

現在 LGBT カトリック・ジャパンの代表をしているルカ小笠原晋也とペトロ宮野亨は,自身は LGBT+ ではなく,いわゆる ally です.活動の趣旨から言って,LGBT カトリック・ジャパンの活動を継続して行くとすれば,やはり,活動主体は sexual minority の人々自身であることが望ましいと思っています.

勿論,代表の役を果たすためには,一応,自身の identity を公表しなければなりませんから,非常に勇気がいります.すぐには難しいでしょう.しかし,将来的に,そのような方が名のり出てくださることを期待しています.

では,まもなくお目にかかれますことを楽しみにしています.

LGBT カトリック・ジャパン共同代表
ルカ小笠原晋也
ペトロ宮野亨