2018年5月24日木曜日

「LGBTQ+ みんなのミサ」に続く「分かち合いの集い」のために


LGBTQ+ みんなのミサに続いて,15時すぎから行われる分かち合いの集いは,基本的に,幸田和生司教様が作成してくださった「聖書の集い」のためのガイドラインに準拠して行われてきましたが,それは,10人未満の比較的少人数が参加する聖書読書会のために考案されたものですので,わたしたちの分かち合いの集いにぴったりかなったものではありませんでした.

LGBTQ+ みんなのミサは,2016年07月17日に初めて行われました.まもなく二周年を迎えます.この機会に,分かち合いの集いの理念や形式について,改めて考えてみたいと思います.

既に,LGBTCJ のメーリングリストを通じて,幾人かの参加者から御意見や御提案をお寄せいただきました.御協力くださった方々に,この場で御礼申し上げます.

今後,もう少し時間をかけて,LGBTQ+ みんなのミサの司式をしてくださっている鈴木伸国神父様と LGBTCJ 共同代表二名とで検討を続けて行きたいと思っています.

ですので,今月27日の LGBTQ+ みんなのミサの後の分かち合いの集いのためには,「決定版」のガイドラインを参加者に提示することは,たいへん申しわけありませんが,まだできません.御理解いただきたいと思います.

ここでは,ルカ小笠原晋也の個人案を提示します.それに対して,分かち合いの集い参加者からより多くの御意見や御提案をいただきたいと思います.

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分かち合いの集いの理念

わたしたちの「LGBTQ+ みんなのミサ」は,あらゆる人を差別なく包容する神の愛にもとづく LGBTQ+ ally たちのための信仰共同体です.

わたしたちの「分かち合いの集い」は,主がわたしたちそれぞれに恵み与えてくださった霊的な(スピリチュアルな,霊気的な)糧[かて]を,主に感謝しつつ,皆で分かち合いながらいただく霊的な宴会[うたげ]です.

もしあなたが「わたしは,ほかの人々と分かち合えるようなものを何も持ちあわせていない」と感ずるとしても,あなたは主によって祝福されています:「幸せだ,貧しい人々は」;もしあなたが悲しい思いをし,または,人々から嫌われていると感じていても,主はあなたを祝福しています:「幸せだ,今泣いているあなたは」,「あなたは幸せだ,人々があなたを憎み,拒むなら」,なぜなら「神の国は,あなたのもの」だから(ルカ福音書 6, 20-22).

もしあなたが貧しく,悲しく,苦しく,悩んだり,疑念にとらわれたりしているなら,それを,主が祝福してくださる霊的な糧として,分かち合い,皆で味わいましょう.人間は,誰もが,神の最高傑作であり,神の愛し子です.

もしあなたが喜ばしい恵みを受け,心豊かであるなら,その喜びを皆で分かち合いましょう:「わたしといっしょに喜んでください,失われていたものを見つけたのです」(ルカ福音書 15, 9).

霊的な糧をいただくためには,聖霊へ心を開き,その御ことば聴きましょう.聖霊は,わたしたちに直接語りかけてくるだけでなく,ほかの人々の口をとおして語りもします.ですから,ほかの参加者の言葉に耳を傾けましょう.

この集いを通じて,皆が,主の恵みに感謝し,聖霊によって養われ,神の愛で互いに支え合うことができますように.


ルール

誰もが心の思いを安心して素直に話すことができるよう,いくつかのルールを守りましょう:

1) 黄金律:「人々からしてもらいたいと思うことは,すべて,人々にしてあげなさい.それこそ,律法と預言者[が言いたいこと]である」(マタイ福音書 7,12).

2) 匿名性と守秘義務:参加者は匿名であることができます.また,ほかの参加者の非公開の個人情報,思想,心情などを知っても,それをこの場以外のところで話題にしたり,第三者と共有したりは,しません.

3) 否定しない,批判しない,受容的であれ:ほかの参加者の思いを否定したり,批判したりは,しません.ほかの参加者の口をとおして語る聖霊の御ことばを聴き取ることができるよう,受容的でありましょう.

4) 支配的にならない:分かち合いの宴会のホスト(主人)は,聖霊です.参加者のうち特定の誰かがこの場を支配することのないようにしましょう.

5) 好悪を持ち込まない:わたしたちの集いは,「仲良し」グループではなく,信仰共同体です.そのよりどころは,神の愛と隣人愛です.もし仮に感情的な「好き嫌い」や「気の合う合わない」を感じても,それを分かち合いの集いの場に持ち込まないようにしましょう.


形式

0) グループ分け:

参加人数が多ければ,複数のグループに分かれます.各グループの人数は10名未満となるようにします.各グループで進行役をひとり,選びます.

しかし,もし参加者のなかに「多人数でも,ひとつのグループのままの方が良い」と思う人が少なくないようであれば,敢えてグループ分けはしません.

なお,複数のグループに分かれた場合,途中でグループ間のメンバーの部分的な入れ換えは,特にしません.


1) 始めの祈りと主の祈り:

慈しみ深い神よ,あなたのみもとで行われるこの集いと,そこに参加するわたしたちを,祝福してください.弱く,貧しく,不安におののくわたしたちを,あなたの愛で支えてください.わたしたちの主 Jesus Christ によって.Amen.

天におられるわたしたちの⽗よ,
御名が聖とされますように.御国が来ますように.
みこころが天に⾏われるとおり,地にも⾏われますように.
わたしたちの⽇ごとの糧を,今⽇もお与えください.
わたしたちの罪をお赦しください.わたしたちも⼈を赦します.
わたしたちを誘惑におちいらせず,悪からお救いください.Amen.


2) 各人がひとりひとり発言します:

参加者は適宜輪状に座り,進行役が適宜定める順番にしたがって,ひとりひとり発言します.ひとりが発言している間,ほかの参加者は,その人の言葉を受容的に聴きます.

発言の順番が回ってきても,何も言わなくてもかまいません.聖霊は,沈黙をとおしても語りかけてきます.特に発言しない場合は,しばらく沈黙した後,発言しない旨の意志表示をしてください.

発言のテーマや内容は,各発言者にまかせます.持ち時間も特に定めません.ただし,集いのルールを忘れないでください.

何か質問してみたいと思うことがあるときは,質問してもかまいません.その場ですぐに答えられるような問題であり,そうするのがふさわしい,または,そうしてかまわない,と思われれば,答えることのできる誰かが手短に回答するでしょう.しかし,すぐに答えられるような問題ではない場合には,疑問を疑問として皆で分かち合うことも有意義です.

いずれにせよ,ひとり ないし少数 の人が,分かち合いの集いの場で支配的になることのないよう,また,議論にならないよう,進行役も,各参加者も,配慮します.


3) 黙想:

皆が発言し終えた後,数分間,黙想します.いただいた恵みについて,感謝しつつ,思いをめぐらします.


4) 終了時間 (16:30) となるまで,2) 3) とを繰り返します.


5) 終わりの祈り:

恵みの源である神よ,感謝と賛美のうちにこの集いを終わります.あなたからいただいた糧に支えられて,わたしたちが日々,生き続けて行くことができますように.わたしたちの主 Jesus Christ によって.Amen.


6) 自由なおしゃべりの時間:

16時半ころから約30分間は,参加者全員で自由におしゃべりする時間です.ただし,集いのルールは守ってください.

なお,おおむね17時ころには会場から退出できるよう,かたづけも協力して行ってください.

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以上は,ルカ小笠原晋也の個人案です.これに対する御意見や御提案を lgbtcj@gmail.com へお寄せいただけると幸いです.

分かち合いの集いがより有意義なものになるよう,皆さんの御協力をお願いします.

ルカ小笠原晋也