2016-05-19

The International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobia

この blog に書くのが遅くなってしまいましたが,5月17日は the International Day Against Homophobia, Transphobia and Biphobia でした.

簡潔な日本語に訳すことはできそうにありません.LGBT 嫌悪に反対する国際記念日,反 LGBT に対抗する国際記念日,反反 LGBT 国際記念日,反 LGBT 差別国際記念日....

ともあれ,何を記念しているのかと言うと,1990年に WHO の国際疾病分類のリストから「同性愛」の項目を削除することが決定された日を記念しています.つまり,同性愛を病気扱いするのをやめることが国際的に正式に決定された日です.

同性愛は,治療さるべき疾患ではありません.同性愛者は,異性愛者と同等の「権利」を有しています.結婚の「権利」も,養子を取る「権利」も,ミサに与る「権利」も,信徒として洗礼してもらう「権利」も.

しかし,「権利」は法学用語です.法律ないし律法の次元においては,人々は,悪しき相対主義や,律法中心主義,教義絶対主義に陥ってしまいがちです.

ですから「権利」ではなく「尊厳」と言いましょう.あらゆる人間は,神に創られた者として,同じ存在尊厳を有しています.

言い換えると,わたしたちは皆,等しく神に愛されています.

God's love excludes nobody, but includes everybody. 
神の愛は,誰をも排除せず,而して,あらゆる者を包容する.

これが,神の愛の根本原理です.この原理に反することを主張している者は大概,律法中心主義や教義絶対主義に陥っています.

Πιστεύω εἰς ἕνα Θεόν. 
Credo in unum Deum. 
我れは唯一の神を信ずる.

それは如何なることか?「神がひとつの存在事象として宇宙のどこかに存在すると思い込む」では全然ありません.そうではなく,「わたしは神の愛に対して自身を開きます」ということです.

神の愛に自身を開くとき,男も女も,straight も gay も,trans も cis も,differentiated も undifferentiated も,あらゆる差異は無効になります.

全世界からあらゆる差別がなくなりますように! Amen !

ところで最近,わたしたち LGBT カトリック・ジャパンの名称に関して,いわゆる queer などの人々をも含む名称を用いるべきでなかろうか,という問題提起が為されました.

名称の簡潔性と包括性とにおりあいをつけるのは,なかなか困難です.そこで着目したのが + の記号です : LGBT+

LGBT+ という表記の + は,狭義の LGBT 以外にも,自身の性別感や身体的性別分化が多かれ少なかれ曖昧であったり,決定困難であったりする人々や,自分には sexuality は無いと感ずる人々をも包容することを指すための plus の記号です.

まだ正式に決めたことではありません.何か良い考えがあれば,教えてください.

ルカ小笠原晋也