2016年5月9日月曜日

Tokyo Rainbow Pride 2016 に参加して

5月8日に催された Tokyo Rainbow Pride 2016 に,LGBT カトリック・ジャパンとして参加してきました.我々のこの活動は昨年夏に始めたばかりなので,今回が初参加です.

ブースでの伝道活動と物品販売に協力してくださった方々に感謝します.主催者と参加者すべての方々にも感謝します.皆さん,お疲れさまでした ! 

或る30歳前後の方が感想をこう述べていました:「わたしが学生のころは,LGBT であることは絶対,人に知られてはならない,と思っていた.そのせいで,いつも暗い気分でいた.ところが,この10年間で日本でも LGBT を取り巻く環境は何と変わったことか ! こんなふうに,隠しだてすることなく,おおぜいで集まって,お祭りを楽しむことができるようになるなんて,以前は考えられなかった.とてもうれしい」.

神に創られたものとして,あらゆる人間は等しく神に愛されています.あらゆる人間が等しく存在の尊厳を有しているのは,そのことに基づいています.神の愛は,誰をも排除しません.すべての人間を包容します.

法学的には,あらゆる人間は平等の権利を有している,と公式化されます.神学的には,あらゆる人間は神の愛の公平性のゆえに平等の尊厳を有している,と表現されます.

いずれにせよ,LGBTIQ の人々も,それ以外の人々も,同等の存在尊厳と同等の法的権利を有しています.あらゆる事柄において差別があってはなりません.当然,結婚や養子縁組に関しても.そして,存在論的性別と解剖学的・生理学的性別との一致の享受に関しても.

TRP のような行事が LGBTIQ に対する社会的偏見と憎悪をよりいっそう解消することに貢献して行くことができますように !

LGBT カトリック・ジャパンの名称のもとに,わたしたちは,パレードに参加し,ブースで,一般参加者との対話と,信仰関連の品々の販売を行いました.

予期していた以上に,多くの人々がカトリック信徒の参加に関心を示してくれました.カトリックは同性愛を断罪しているのでは,と問いかけてくる人々も少なくありませんでした.今のフランチェスコ教皇は,むしろ差別を禁止し,LGBTIQ をカトリック教会に歓迎するよう説いている,と返答することができたのは,とてもうれしいことでした.ただ,全世界的には保守派も少なくないカトリック教会の内部分裂を避けるために,同性婚を秘跡として祝福するところまでは踏み込めないでいるが,と付け加えねばならなかったのは,残念でしたが.

虹色のロザリオや十字架は皆さんにとても好評でした.特に,手作りのロザリオは,用意した分を完売しました.

また,50枚ずつ用意していた三種類のチラシは,早めの時間帯にすべて配布されつくしてしまい,残念ながら午後から来てくださった方々に何もお渡しすることができませんでした.ここに掲載しておきます:







当日,「キリストの風」主宰の平良愛香牧師さん,および,新宿コミュニティ教会主宰の中村吉基牧師さんとお会いし,直接お話しすることができて,大変うれしく思いました.

また,新宿コミュニティ教会の野外礼拝に参加させていただき,ありがとうございました.中村吉基先生が朗読に選んだ聖パウロのガラテア書簡 3,28 : 「ユダヤ人もギリシャ人も無く,奴隷も自由人も無く,男も女も無い.そも,あなたたちはすべて,キリスト・イェスにおいてひとつである」は,性差をも含むあらゆる差別は神の愛において無効であることを,思い出させてくれました.

その直前,Ga 3,23-26 において聖パウロはこう言っています:「信仰が到来する前,我々は律法のもとに囚人であった – 啓示さるべき信仰を待望しつつ.さように,律法は我々の看守であった – 信仰によって義とされるために,キリストを待ちながら.しかし,信仰が到来したので,我々はもはやその看守のもとにはいない.そも,あなたたちはすべて,信仰により,キリスト・イェスにおいて,神の子である」.つまり,わたしたちは皆,断罪する律法から解放され,主イェス・キリストにおいて等しく神の子として愛されています.聖書の語句の断片や伝統的に律法と見なされてきたものを振りかざして LGBTIQ を断罪することを,神はもはや許しません.

福音に対して耳をふさぎ,神の御顔から目をそむけ続けている日本人すべてが,神の愛との良き出会いをすることができますように ! 主よ,あなたの愛と永遠の命を証言するために信仰を生き続ける力を,わたしたちにお与えください.Amen !






「くたばれ,家父長制 ! 」に完全に賛同 !

ルカ小笠原晋也