2016-11-28

2016年11月27日,Sali Augustine 神父様の司式により第五回 LGBT 特別ミサが行われました

2016年11月27日,第五回 LGBT 特別ミサが,予定どおり,都内で行われました.

この御ミサを可能にしてくださった主の恵みに感謝します.

司式してくださった Sali Augustine 神父様 SJ に感謝します.神父様は,上智大学教授としての業務が非常にお忙しいなか,LGBT 信徒の司牧のためにお時間をさいてくださいました.

そして,ボランティアで手話通訳をしてくださった方に感謝します.

11月27日は,待降節第一主日でした.典礼歴では新たな一年の始まりの日です.

福音朗読では,「目覚めていなさい」と強調されています: いつ終末が到来してもよいように,いつキリストの再臨が起きてもよいように,常に目覚めていなさい.

Sali 神父様は,三つのサンスクリット語の表現を紹介してくださいました.それらをここでサンスクリット語のまま再現することはできませんが,神父様によると,意味はこうです: 闇から光りへ,偽りから真理へ,死から永遠の命へ.

サンスクリット語で「ブッダ」(Buddha) は「目覚めた者」です.その語源 bodhi は「目覚め」です.bodhi は,中国語では「菩提」と音転記されています.日本語で言う「悟り」です.

目覚めは,闇から光りへ,偽りから真理へ,死から永遠の命への目覚めです.

そのような目覚めに,ブッダは,長年の身体的苦行の果てに死にかけたときにスジャーターにより施された乳粥を食して蘇り得たことにより,到達した,と仏教説話には伝えられています.

他方,主に信頼するわたしたちには,そのような目覚めは,神の愛により,イェス・キリストにおいて,救済として恵み与えられています.

Sali 神父様は,ひとつの譬え話をしてくださいました:



昔,ある女が,毎日,天秤棒を両肩にかついで,川へ水を汲みに行っていた.天秤棒から下げられたふたつの瓶のうち,片方には小さな穴が開いており,川で一杯にしても女が家に着くときには水の半分はそこから漏れ出てしまう.穴の開いていない瓶は,穴の開いた瓶を,役立たずとバカにし,いじめていた.穴の開いた瓶は,ついに耐えきれなくなり,女に言った:「わたしは役立たずです.わたしを壊してください」.女は,穴の開いた瓶を連れて,毎日天秤棒をかついで通る道へ出て,言った:「ごらんなさい,道の両側のうち,あなたの側には,あなたから漏れ出た水のおかげで,何とたくさんきれいな花が咲いていることか」.その道を毎日通っているのに,穴の開いた瓶はそのことにまったく気づいていませんでした.女の愛のおかげで,初めて,穴の開いた瓶は目覚めることができました.

第二朗読で,聖パウロは言っています:「あなたたちは知っています,如何なる時にわたしたちがいるのかを:今や,眠りから覚める時です.実際,今日,救済は,わたしたちが信じ始めたときよりも,もっとわたしたちに近いところにあります」(Rm 13,11).

常に目覚めていることができますように.目覚めを恵み与えてくださる主に感謝して,祈りましょう.

ルカ小笠原晋也