2018-04-01

主の御復活おめでとうございます!


Resurrexit sicut dixit, alleluia !

主の御復活おめでとうございます!

改めて強調するまでもありませんが,Jesus の復活は,地上的な生に「生き返る」ことではなく,永遠の命への復活です.かつ,「地獄」からの復活です.

ニケア・コンスタンチノープル信条にはそのくだりはありませんが,使徒信条では,「三日目に死者たちのうちから復活し」の前に,Jesus Christ は「地獄に降りた」と言われています.勿論,公式な日本語訳では「冥府(よみ)にくだり」です.しかし,ラテン語では « descendit ad inferos » です.「地獄」(inferi) という語が確かに使われています.

地獄に関して,数日前にこんなニュースがありました.イタリアの全国紙 La Repubblica の創立者であるジャーナリスト Eugenio Scalfari による Papa Francesco の「インタヴュー」が,0328日付の同紙に掲載されました.そのなかで,教皇は「地獄は存在しない」と言ったことにされていました.それに対して,Vatican の広報室は,翌日すぐさま,そのことを否定する声明を発表しました:教皇は Scalfari を個人的に接見したが,インタヴューを受けたわけではなく,しかも,教皇の言葉として記事に書かれてある文章は,教皇の実際の発言を忠実に再現しておらず,Scalfari 自身の作文にすぎない.

この件を,USA のイエズス会の週刊誌 America も,0329日付で報道しています.

それによると,教皇は,20143月,マフィアに向かって警告して言っています:「犯罪行為をやめて,回心しなさい.さもなければ,あなたたちを待っているのは地獄だ」.

また,20150308日にローマ市内の或る小教区を訪問した際,教皇は,ガールスカウトの少女の質問:「神様は皆を赦してくださるのなら,いったい,なぜ地獄はあるのですか?」に答えて,こう言っています

あなたの質問は,とても重要なものです.いい質問です.そして難問です. 
では,わたしも質問しましょう.神様は誰でも赦してくださるのかな?[少女たちの答え:はい,誰でも赦してくださいます].神様は善意に満ちているからかな?[はい,神様は善意に満ちています].そう,神様は善意に満ちています. 
しかし,あなたたちも知っているように,とても傲慢な天使がいました.とても傲慢で,とても頭の良い天使です.彼は,神様のことを妬みました.妬んで,神様の地位を欲しがりました.神様は,彼を赦しました.しかし,その傲慢な天使は言いました:「あなたに赦してもらう必要はありません.わたしは自力で大丈夫ですから」. 
神様に向かって「どうぞ御勝手に.わたしも自分で勝手にやりますから」と言うこと,それが地獄です.地獄に行く者は,地獄に送られるわけではなく,みづから地獄へ行くのです:地獄にいることをみづから選ぶのですから. 
地獄とは,神の愛を欲さずに,神から遠ざかろうと欲することです.それが地獄です.容易に説明できる神学です. 
そう,悪魔が地獄にいるのは,みずからそう欲したからです 神との関係を全然欲しがらずに. 
他方,あの罪人のことを思い出してごらんなさい:極悪人で,この世の罪すべてを犯し,死刑を宣告されて,冒瀆的なことを言い,罵る,等々.そして,処刑されようとするとき,死のまぎわに,天を仰いで言う:「主よ!...」. 
その罪人は,どこへ行くかな?天国へ?地獄へ?はい,大きな声で...[少女たち:天国!]そう,天国へ行く. 
イェス様といっしょに十字架にかけられたふたりの盗人のうち,ひとりは,イェス様を罵る.彼は,イェス様を信じない.しかし,もうひとりの心のなかでは,ある時点で,何かが動く.そして彼は言う:「主よ,わたしを憐れんでください!」. 
すると,イェス様は何と言うかな?憶えているかな?「今日,あなたは,わたしとともに天国にいることになる」(Lc 23,43). 
なぜか?なぜなら,あの盗人は「わたしを見てください,わたしのことを憶えていてください」とイェス様に言ったからです. 
地獄へ行くのは,神様に向かってこう言う者だけです:「わたしには,あなたは必要ありません.わたしは自力で大丈夫です」 悪魔がそう言ったように.悪魔だけは地獄にいる,とわたしたちは確信できます. 
わかったかな?質問してくれてありがとう.あなたはまるで神学者だね!

さすが Papa 様!わかりやすいお話しです.神の愛を信ずる者は,かならず救われ,イェス様といっしょに永遠の命へ復活させていただけます.神の愛は,うらぎりません.

改めて,主の御復活おめでとうございます!よい復活節をおすごしください!

ルカ小笠原晋也