2021-12-25

主の御降誕 おめでとうございます!

Carlo Maratta (1625-1713), Natività (1651)


主の御降誕 おめでとうございます!


主 Jesus Christus の 御降誕 おめでとうございます!

わたしたち皆を神の子としてくださった 主 Jesus Christus と 彼を世に与えてくださった 父なる神 と わたしたちに神のいのちを生きることを可能にしてくれている 神の聖なる息吹 に 感謝します.

ただ,わたしたちは,2 日 前,突然の訃報を 受け取りました : Father Daniel Collins SJ(英語動画日本語動画)が 23日 10:20 に 心不全のため 亡くなりました(時刻は死亡確認時刻.睡眠中に安らかに帰天されたようです).彼は,Papa Francesco と同じく,1936年生れであり,今年 7月 18日に 85 歳になりました.2019年には 司祭叙階 50 周年を 迎えていました.前日に 元気な彼の姿を見かけた と ある人が Facebook に 投稿していました.主が 彼に 永遠の安らぎを与え,絶えざる光で 彼を 照らしてくださいますように.

さて,この 1 年間も わたしたちは Covid-19 の 全世界的流行の影響のもとに 日常生活を送るよう 余儀なくされました.特に,生命を軽視して「緊急事態」のなかで 強行された オリンピックのせいで,東京では Covid-19 の 罹患者が 急増し,そして,そのため,8月16日から 9月末まで,東京大司教区では 再び 公開ミサの中止を 余儀なくされました.

その後,多くの人々がワクチン接種を受けたおかげで,新規感染者は減少し,10月から 公開ミサは 再開されました.

しかし,今,欧米では コロナウィルスのオミクロン変異の流行が広まり,降誕祭直前から 年明けまで ロックダウンの措置が取られている国々も あります.その場合,勿論,降誕祭のミサも 神の母おとめマリアの祭日のミサも 公開では 行われません.日本でも,おそらく 1, 2 ヶ月後には 同様の事態となっているでしょう.

わたしたちの LGBTQ みんなのミサも,2020年03月以来,中止を余儀なくされています.2022年の復活祭から再開できるかもしれない と 思っていた 矢先に,オミクロン変異の流行が始まり,予断は許されない状況となっています.今のところは,月 1 回 の LGBTQ カトリック 祈りと思いの分かち合い Zoom Meeting を 続けてゆくしか ありません.

果てしのないように思われる この試練のなかで 神の愛が わたしたちを支えてくださいますように.

LGBTQ カトリックの観点から,2021年を 振り返ってみましょう.まず,1 月 6 日,Donald Trump の 支持者たちが,暴徒となって,合衆国 議会 議事堂を 襲撃する という 衝撃的な事件が 起こりました.これは,わたしたちに無関係なことではありません.というのも,米国における 超保守的な カトリック信者たち — 彼らは,LGBTQ を 差別して はばからず,かつ,女性の生殖の権利(妊娠の継続に関する自己決定権を含めて)を 擁護する Joe Biden(彼は カトリック信者です)に対して 聖体拝領を拒むことは 当然だ と 考えています — は Donald Trump の 支持者であるからです.

Donald Trump と 彼の支持者たちは,精神病理学的観点から見るなら,パラノイア患者です.彼らの思考は 明らかに 妄想的です.そして,その精神病理を 米国の超保守的カトリック信者たちは 彼らと 共有しています.

そのような超保守派に対して,Papa Francesco は,7月16日付の 使徒的書簡 Traditionis custodes によって,第 II ヴァチカン公会議以前の トリエント ミサ (Tridentine Mass, 別名 Traditional Latin Mass, 伝統的ラテン語ミサ : TLM) — 超保守派が好む ad orientem(司式者が 会衆に背を向け 祭壇の方を向く)の ラテン語ミサ — を行う機会を大幅に制限する という措置に出ました.

それは,単純に 祭儀のやり方の問題ではありません.そうではなく,Papa Francesco の その措置は,第 II ヴァチカン公会議の意義を否定することによって schismatic な[分離的な]動きに走ろうとしている 超保守派に対する 戒めです.というのも,伝統的ラテン語ミサを 好んで行うことは,会衆がミサに積極的かつ能動的に与ることを可能にするために ミサを それぞれの国の言語で行うことを 勧めた 第 II ヴァチカン公会議の精神を 否定することだからです.

この問題については,Congregazione per il culto divino e la disciplina dei sacramenti が 12月 4日に 追加的な説明を 発表しています.

超保守派の schismatic な 動きを より根本的に 批判する 目的を有している と 見なし得るのが,synodality[ともに歩む教会]の ための シノドスです.2023年10月に予定されている シノドス[世界司教会議]へ向けての 歩みは,2021年10月に 開始されました.

直接に LGBTQ カトリック信者たちにかかわる問題としては,3月15日に 教理省は「教会は 同性カップルを祝福することは できない」と宣言しました.それに対する反論については,この記事を お読みください.Papa Francesco 自身,その教理省の声明を 暗示的に 批判している,と 我々は推測することができます.

12月には,米国の LGBTQ カトリック信者の団体のひとつ New Ways Ministry が作成した動画が シノドスの資料集から削除されたことに対して,同団体は,Papa Francesco が 彼の同団体宛の書簡のなかで 同団体を称賛している事実を 明らかにしました.それに対して,驚くべきことに,シノドスの総事務局は,動画削除措置について謝罪し,その動画へのリンクを 再度 資料集に 掲載しました.この出来事に関しては この記事もうひとつの記事 を お読みください.

2022年も,わたしたちは,Covid-19 の 全世界的流行の 試練のもとで 日常生活を送ることを 余儀なくされています.わたしたちの主 Jesus Christus に しっかりと 希望を 置きつつ,神の愛の支えを願いつつ,2022年を 辛抱づよく 生きて行きましょう.

主の恵みの息吹が 皆さんに 豊かに 注がれますように.

改めて 主の御降誕 おめでとうございます!

LGBTQ みんなのミサ 世話人