2022-06-28

ドイツのフランシスコ会は,gay であることを公にしている兄弟を,管区長に 選出した

Bruder Markus Fuhrmnann

ドイツのフランシスコ会は,gay であることを公にしている兄弟を,管区長に 選出した



Bruder [1] Markus Fuhrmann は,フランシスコ会の 新たなドイツ管区長である.既に 選出の前に,彼は,彼が gay であることを,公にしていた.このインタヴューにおいて,彼は,それを公にする決心について,教会の刷新について,そして,フランシスコ会の将来について,語っている.


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MK-Online : こんにちは,Bruder Markus Fuhrmann, まずは,管区長選出 おめでとうございます.

Bruder Markus Fuhrmann : こんにちは,どうもありがとうございます.

MK : 管区長となる あなたには,いくつかの新たな仕事が 課せられます.たとえば,修道士たちの人事の問題,また,性的虐待事件を徹底的に究明することへの挑戦,等々,ほかにも たくさんあります.というわけで,どのテーマが あなたにとって 個人的には 気にかかっていますか?

MF : わたしは,わたしの使命を なかんづく このことに 見ています:教会を代表すること,修道会を代表すること — 教会と修道会は,Jesus の 喜ばしき知らせ[福音]を 生きており,また,教会と修道会は わたしたちが成長する 空間を 開きます.そのような教会と修道会を代表することは,今日,適切なことである,と わたしは 思っています.なぜなら,今日,教会は,特に ドイツにおいて,自身を新たに方向づけようとしているからです.ジェンダーに関して公正である教会,明瞭に〈貧しい人々と困っている人々の側に〉立つ 教会,性道徳の問題について敏感である教会 — 我々は,そのような教会でありたい と 思っています.なぜなら,従来 公式に 教えられてきたような 性道徳は,生きるために役立たないからです.性道徳は,変更されるか,あるいは,さらに発展して行かねばなりません.

MK : あなたは かねてから そう呼びかけていますね.教会における刷新は,確かに,多くの人々にとって,スローガンになっています.では,あなたは,変化に関して 何を求めますか?

MF : 新たな管区長としての わたしの職務において,わたしは,わたしの兄弟たちとともに いっしょに それを決めてゆかねばなりません.わたし個人としては,わたしは「ともに歩む教会」の会合の努力を 支持しています.わたしは,司祭の生活形態における独身制について批判的に熟考することに 賛成しており,また,女性が司祭職に就くことについても 賛成しています.そこには わたしが賛同する 一連のテーマがある,と わたしは考えています.MHG 調査 [2] によって明らかになった 多数の問題 — それらは,「ともに歩む教会」の会合において取り上げられます — は,教会のなかの障害物であり,最終的に除去されねばなりません.

MK : 何週間か前,あなたは,あなたが homosexual であることを,みづから 公にしました.ドイツのフランシスコ会の兄弟たちも,その情報を,管区長選挙の前に 知っていました.あなたは,事実上,管区長の職にあるフランシスコ会士のなかで 初めて そのことを公にした人です.今,どう感じていますか?

MF : わたしがその事実を公にしたことを,わたしの兄弟たちは とてもポジティヴに受けとめてくれました.たいへん好評でした.そのことを知って,わたしは嬉しく感じています.おそらく,この価値評価の火花は,教会のほかの領域にも 飛び火して行き得るでしょう.そうなれば すばらしい と 思います.

MK : いづれにせよ,あなたは,修道士として,独身者の生活を おくっています.にもかかわらず,なぜ 公にしたのですか?

MF : わたし個人にとって,それは,わたし自身の誠実さの問題でした.わたしは,修道士として,教会のなかに生きており,活動的であり,さらに,行動責任をも引き受けている — であるならば,わたしは,わたしが 誰であり,如何なる意見を持っているのかをも,明らかにすることができる と 思いたい.わたし自身は gay であるならば,わたしは,このことを示したい : gay であっても わたしは この[フランシスコ会管区長という]職務において 教会のメンバーであり得る ということを.それは,教会においては 名目上 そうであってはならないとされているがゆえに,重要なことです.我々の教会のなかには,残念なことに,多くの — あまりに多くの — 制度的な偽善が あります.つまり,名目上 あってはならない何かが ある — しかし,皆が知っています:それでも それは ある と.我々は 教会として 多様である;教会は queer でも ある;それは 神により欲せられたことである;それは 被造界の多様性に適っており,それゆえ,まったく正常なことである — それらのことを[教会にとって]チャンスと見なすよう,わたしは宣べ伝えて行きたいと思っています.

MK : 今週 水曜日[2022年06月08日]以来,あなたは 新たなフランシスコ会管区長として 公式に 職務に就いており,それゆえ,今後 6 年間,[ドイツの]フランシスコ会のあり方を定める権限を有することになります.あなたは 将来に関して 何を 望みますか?

MF : ますます 高齢化し 縮小しつつある 小さな管区として,我々は,内的な まとまりを うまく保って行かねばなりません.わたしにとって 重要なのは,このことです:兄弟たちが 自身の召命を 十分に かつ 喜ばしく 生きることが できること.我々は,部分的には,なおも,古い構造と大きな建物を有していますが,長期的には 我々は それらを保持することは もはや できないでしょう.我々は,縮小して行かなければなりません.それは,また,より近しく 人々のもとに ある チャンスであり,かつ,如何に 我々は 今日 生き得るのかの 新たな形態を 見出すチャンスです.我々の前には 大きな変化が 待ち受けています.それを,わたしは,兄弟たちとともに,形づけてゆきたいと思いますし,そうせねばなりません.

[1] Markus Fuhrmann は 2005年に 司祭叙階の秘跡を授かっているが,フランシスコ会のメンバーは,司祭でも,Bruder (brother) と呼ばれる.

[2] MHG-Studie : ドイツのカトリック教会において 1946年から 2014年までの 69年間に ドイツ司教協議会の管轄下にある聖職者(司祭,助祭,修道士)が 未成年者および若者に対して 犯した 性的虐待の 事件について,2014年から 2018年にかけて,Mannheim と Heidelberg と Gießen の 大学の 研究機関が 合同で 調査を おこなった.その結果は,2018年09月に 発表された.その調査は,三つの大学の名称の頭文字を取って,MHG-Studie と 呼ばれる.その結果は:調査対象となった 聖職者の Personalakte[人事記録]の 総数 38,156 のうち,1,670 (4.4 %) において 性的虐待行為の記録が あった.その大多数は 教区司祭であった.被害者の数は 3,677 人(男性 62.8 %, 女性 34.9 %, 性別の記載 無し 2.3 %)であった.一般社会における性的虐待に関する統計と比較すると,男性の被害者が著しく多いことが 目立つ.