2023年2月14日火曜日

日本 カトリック 正義と平和 協議会の 2023年02月13日付の声明 —『福音と社会』に掲載された「『LGBT と キリスト教 — 20人のストーリー』を読んで」について — を 受けて

 

日本 カトリック 正義と平和 協議会の 20230213日付の声明 『福音と社会』に掲載された「『LGBT キリスト教 20人のストーリー』を読んで」について 受けて


LGBTQ みんなの ミサ 世話人
 
カトリック社会問題研究所が隔月刊で発行する『福音と社会』誌の 323号(20220831日付),324号(同年1031日付),そして,325号(同年1231日付)に 発表された 谷口 幸紀 神父の“書評”『「LGBT キリスト教 — 20人のストーリー」を読んで』に関して,日本 カトリック 正義と平和 協議会Japan Catholic Council for Justice and Peace [JCCJP] : 会長 Wayne Berndt, O.F.M. Cap. 那覇司教)が,今月13日付の声明を発表しました;同声明は,同日,カトリック中央協議会 (Catholic Bishops’ Conference of Japan : CBCJ) website 公示されました.

わたしたちは,谷口幸紀神父と『福音と社会』誌を 厳しく批判する この JCCJP の声明を,歓迎します.それは,わたしたち LGBTQ カトリック信者 その盟友にとって,言うなれば,とてもすばらしい 聖ヴァレンタインの日の プレゼントです.

実際,同声明は こう断定しています:

谷口 幸紀 神父の 文章には,LGBTQ 人々に対する「看過し得ない 偏見や 差別的表現が 随所に 認められ,『LGBT キリスト教 20人のストーリー』に 寄稿し,あるいは[そこに発表された]対談に応じた LGBTQ+(セクシュアル マイノリティー)当事者 20人の方々を 著しく傷つけるもの」である.

そして,同書において「キリスト教会の LGBTQ+ に対する 無理解と差別によって 教会から排除された 経験を」語っている 著者たちに対して,「カトリック司祭[谷口幸紀神父]によって執筆された本書評は,[彼れらの 苦痛な]経験に さらに追い討ちをかけるものであり,深刻な二重加害」を成すものである.


さらに,同声明は『福音と社会』誌に こう勧告しています:

同誌の編集部は,『LGBT キリスト教 20人のストーリー』の共著者である「20人の方たちの訴えに 真摯に耳を傾け,また,その背後にあって,差別によって なお 見えにくくされている 数多くの LGBTQ+ 当事者の方々に 想いを寄せ,責任ある行動に向かう」べきである.


また,同声明は,日本カトリック司教団が Papa Francesco にならって LGBTQ の人々のための司牧的ケアに取り組む用意のあることを,改めて我々に強調しています:

日本カトリック司教団は,『いのちへのまなざし(増補新版)』(カトリック中央協議会,201703月)において,こう述べている :「イェスは,どんな人をも 排除しませんでした.教会も,このイェスの姿勢に倣って 歩もうとしています.性的指向[および 性同一性]の如何にかかわらず,すべての人の尊厳が大切にされ,[すべての人が]敬意をもって受け入れられるよう,[教会は]望みます。同性愛者,バイセクシャル,トランスジェンダーの人たちに対して,教会は,これまで,厳しい目を向けてきました.しかし,今では,そのような人たちも 尊敬と思いやりをもって[教会に]迎えられるべきであり,[彼れらが]差別や暴力を受けることのないよう 細心の注意を払っていくべきだ と考えます.」


そして,同声明は,最後に,従来のカトリック教会の LGBTQ に対する態度について,反省を表明しています:

カトリック信者である「わたしたちも,また,LGBTQ の方々に対して,教会の扉を閉ざし,差別し,ときには[彼らが]自死に至るまでに[彼れらの]尊厳を傷つけてきた,ということに 気づく」べきである.


締めくくりに,同声明は こう祈っています:

「すべての人は ひとしく 神の子である」という イェスのメッセージを この地上に実現するための 回心の恵みを[わたしたちは]主なる神に 願います.


わたしたちは,この声明を 日本のカトリック教会の歴史のなかで 画期的なものとして 評価したい と思います;なぜなら,そこにおいて,日本のカトリック司教団は,カトリック司祭による〈LGBTQ の人々に対する〉人権侵害を 批判し,彼らのための司牧的ケアに取り組む方針を改めて提示し,そして,従来のカトリック教会の LGBTQ に対する差別的な姿勢を 反省しているからです.この声明は,日本のカトリック司教団がそのようなことを明確に述べた 初の文書です.

わたしたちは,この声明を発表してくださった 日本 カトリック 正義と平和 協議会 および 日本カトリック司教協議会の 司教さま および 大司教さまたちに 感謝したいと思います.そして,誰をも排除せず,あらゆる人を包容する 愛の神に 感謝します.

なぜなら,主は わたしたちに こう命じているからです (Jn 13,34 ; 15,12) :

あなたたちは 互いに愛しあいなさい わたし[イェス]が あなたたちを愛したように.


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わたしたち自身は,谷口幸紀神父に対する批判を,今月01日付の わたしたちのブログ記事において 展開しています.是非 参照してください.