2022年6月28日火曜日

ドイツのフランシスコ会は,gay であることを公にしている兄弟を,管区長に 選出した

Bruder Markus Fuhrmnann

ドイツのフランシスコ会は,gay であることを公にしている兄弟を,管区長に 選出した



Bruder [1] Markus Fuhrmann は,フランシスコ会の 新たなドイツ管区長である.既に 選出の前に,彼は,彼が gay であることを,公にしていた.このインタヴューにおいて,彼は,それを公にする決心について,教会の刷新について,そして,フランシスコ会の将来について,語っている.


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MK-Online : こんにちは,Bruder Markus Fuhrmann, まずは,管区長選出 おめでとうございます.

Bruder Markus Fuhrmann : こんにちは,どうもありがとうございます.

MK : 管区長となる あなたには,いくつかの新たな仕事が 課せられます.たとえば,修道士たちの人事の問題,また,性的虐待事件を徹底的に究明することへの挑戦,等々,ほかにも たくさんあります.というわけで,どのテーマが あなたにとって 個人的には 気にかかっていますか?

MF : わたしは,わたしの使命を なかんづく このことに 見ています:教会を代表すること,修道会を代表すること — 教会と修道会は,Jesus の 喜ばしき知らせ[福音]を 生きており,また,教会と修道会は わたしたちが成長する 空間を 開きます.そのような教会と修道会を代表することは,今日,適切なことである,と わたしは 思っています.なぜなら,今日,教会は,特に ドイツにおいて,自身を新たに方向づけようとしているからです.ジェンダーに関して公正である教会,明瞭に〈貧しい人々と困っている人々の側に〉立つ 教会,性道徳の問題について敏感である教会 — 我々は,そのような教会でありたい と 思っています.なぜなら,従来 公式に 教えられてきたような 性道徳は,生きるために役立たないからです.性道徳は,変更されるか,あるいは,さらに発展して行かねばなりません.

MK : あなたは かねてから そう呼びかけていますね.教会における刷新は,確かに,多くの人々にとって,スローガンになっています.では,あなたは,変化に関して 何を求めますか?

MF : 新たな管区長としての わたしの職務において,わたしは,わたしの兄弟たちとともに いっしょに それを決めてゆかねばなりません.わたし個人としては,わたしは「ともに歩む教会」の会合の努力を 支持しています.わたしは,司祭の生活形態における独身制について批判的に熟考することに 賛成しており,また,女性が司祭職に就くことについても 賛成しています.そこには わたしが賛同する 一連のテーマがある,と わたしは考えています.MHG 調査 [2] によって明らかになった 多数の問題 — それらは,「ともに歩む教会」の会合において取り上げられます — は,教会のなかの障害物であり,最終的に除去されねばなりません.

MK : 何週間か前,あなたは,あなたが homosexual であることを,みづから 公にしました.ドイツのフランシスコ会の兄弟たちも,その情報を,管区長選挙の前に 知っていました.あなたは,事実上,管区長の職にあるフランシスコ会士のなかで 初めて そのことを公にした人です.今,どう感じていますか?

MF : わたしがその事実を公にしたことを,わたしの兄弟たちは とてもポジティヴに受けとめてくれました.たいへん好評でした.そのことを知って,わたしは嬉しく感じています.おそらく,この価値評価の火花は,教会のほかの領域にも 飛び火して行き得るでしょう.そうなれば すばらしい と 思います.

MK : いづれにせよ,あなたは,修道士として,独身者の生活を おくっています.にもかかわらず,なぜ 公にしたのですか?

MF : わたし個人にとって,それは,わたし自身の誠実さの問題でした.わたしは,修道士として,教会のなかに生きており,活動的であり,さらに,行動責任をも引き受けている — であるならば,わたしは,わたしが 誰であり,如何なる意見を持っているのかをも,明らかにすることができる と 思いたい.わたし自身は gay であるならば,わたしは,このことを示したい : gay であっても わたしは この[フランシスコ会管区長という]職務において 教会のメンバーであり得る ということを.それは,教会においては 名目上 そうであってはならないとされているがゆえに,重要なことです.我々の教会のなかには,残念なことに,多くの — あまりに多くの — 制度的な偽善が あります.つまり,名目上 あってはならない何かが ある — しかし,皆が知っています:それでも それは ある と.我々は 教会として 多様である;教会は queer でも ある;それは 神により欲せられたことである;それは 被造界の多様性に適っており,それゆえ,まったく正常なことである — それらのことを[教会にとって]チャンスと見なすよう,わたしは宣べ伝えて行きたいと思っています.

MK : 今週 水曜日[2022年06月08日]以来,あなたは 新たなフランシスコ会管区長として 公式に 職務に就いており,それゆえ,今後 6 年間,[ドイツの]フランシスコ会のあり方を定める権限を有することになります.あなたは 将来に関して 何を 望みますか?

MF : ますます 高齢化し 縮小しつつある 小さな管区として,我々は,内的な まとまりを うまく保って行かねばなりません.わたしにとって 重要なのは,このことです:兄弟たちが 自身の召命を 十分に かつ 喜ばしく 生きることが できること.我々は,部分的には,なおも,古い構造と大きな建物を有していますが,長期的には 我々は それらを保持することは もはや できないでしょう.我々は,縮小して行かなければなりません.それは,また,より近しく 人々のもとに ある チャンスであり,かつ,如何に 我々は 今日 生き得るのかの 新たな形態を 見出すチャンスです.我々の前には 大きな変化が 待ち受けています.それを,わたしは,兄弟たちとともに,形づけてゆきたいと思いますし,そうせねばなりません.

[1] Markus Fuhrmann は 2005年に 司祭叙階の秘跡を授かっているが,フランシスコ会のメンバーは,司祭でも,Bruder (brother) と呼ばれる.

[2] MHG-Studie : ドイツのカトリック教会において 1946年から 2014年までの 69年間に ドイツ司教協議会の管轄下にある聖職者(司祭,助祭,修道士)が 未成年者および若者に対して 犯した 性的虐待の 事件について,2014年から 2018年にかけて,Mannheim と Heidelberg と Gießen の 大学の 研究機関が 合同で 調査を おこなった.その結果は,2018年09月に 発表された.その調査は,三つの大学の名称の頭文字を取って,MHG-Studie と 呼ばれる.その結果は:調査対象となった 聖職者の Personalakte[人事記録]の 総数 38,156 のうち,1,670 (4.4 %) において 性的虐待行為の記録が あった.その大多数は 教区司祭であった.被害者の数は 3,677 人(男性 62.8 %, 女性 34.9 %, 性別の記載 無し 2.3 %)であった.一般社会における性的虐待に関する統計と比較すると,男性の被害者が著しく多いことが 目立つ.  

2022年5月10日火曜日

パパ フランチェスコから LGBTQ の 人々へ:神は父である;父なる神は わが子を ひとりも 否まない


パパ フランチェスコから LGBTQ の 人々へ:神は父である;父なる神は わが子を ひとりも 否まない


かねてから LGBTQ community のために 司牧的奉仕を おこなってきた James Martin 神父 S.J. は,今月(2022年05月)始め,もっぱら その目的に当てられた 新たな website Outreach, An LGBTQ Catholic Resource を 立ち上げました.

そして,彼は,5月05日付の書簡で,パパ フランチェスコに 三つの質問を 送りました — それらは,James Martin 神父によれば,彼が LGBTQ カトリック信者たち および 彼らの家族たちから 最もしばしば 受ける 質問です.

それに対して,パパ フランチェスコは 5月08日付の 手書きの書簡で 手短に 回答してきました.

それらの質問と回答の スペイン語原文と英訳は,5月09日に Outreach の website で 公開されました(Vatican News の 記事 ; America Magazine の 記事).さっそく 紹介しましょう:

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James Martin 神父の パパ フランチェスコへの 質問:

質問 1 : あなたは,LGBT の 人々が 神について 知っているべき 最も重要なことは 何である,と 言いますか?

質問 2 : あなたは,LGBT の人々が 教会について 何を知っていることを,欲しますか?

質問 3 : あなたは,教会による拒絶を経験したことのある LGBT カトリック信者に対して,何を言いますか?

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[パパ フランチェスコの James Martin 神父への 返事の手紙,2022年05月08日付]

親愛なる兄弟よ,

手紙を ありがとう.

あなたの質問に関しては,わたしは とても単純な答えを 有しています.

回答 1 : 神は父である;父なる神は,わが子を ひとりも 否まない.そして,神の「スタイル」は「近しさ,慈しみ,優しさ」である.その道を通れば,あなたは 神を見出すだろう.

回答 2 : わたしは,あなたたちが 使徒言行録を読むことを,欲する.そこには,生き生きとした教会の イメージが ある.

回答 3 : わたしは,その人に,このことを指摘しておきたい:それは「教会による拒絶」ではなく「教会にいる 幾人かの人々による 拒絶」である.教会は 母である;母なる教会は,わが子たちを すべて 呼び集める.「宴会に招かれた者たち」の 譬え話 [ Mt 22,1-15 ; Lc 14,15-24 ] を 参照 :「義人も,罪人も,富む者も,貧しい者も,等々」.「選択的」な 教会,「純血種」の 教会は,聖なる母としての教会ではなく,しかして,ひとつのセクトである.

あなたがしていること すべてに 感謝します.あなたのために 祈ります.わたしのためにも 祈ってください.

Jesus が あなたを祝福してくださるように.そして,聖なるおとめが あなたを護ってくださるように.

兄弟愛を以て,

Francisco

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パパ フランチェスコは,2017年04月,James Martin 神父を,教皇庁の Dicastero per la Comunicazione の 13人の相談役 [ consultore ] の ひとりに 選んでいます.また,2019年09月30日には,使徒宮殿の図書室で行われた 30分間の個人接見において,彼と会談しました.さらに,2021年06月21日付の手書きの手紙(原文英訳)で,彼の LGBTQ community への 司牧的奉仕について,彼に 感謝と励ましの言葉を 書き送っています.

James Martin 神父が この 5 月に 立ち上げた website Outreach は,このことを目的としています : LGBTQ カトリック信者たちが 次のことを知るのを 助けること:すなわち,神は 彼らを 愛している;彼らは,教会の かたすみへ 差別されているのではなく,教会の ただなかに いる;彼らは,神の民へ献げるべき 賜を たくさん 有している.

彼が 2018年03月に 彼の著書 Building a Bridge の 増補改訂版の 出版の 機会に 作成した 動画 Spiritual Insights for LGBT Catholics の テクストの 邦訳,および,彼が 2019年06月の World Pride NYC の 前夜の ミサで おこなった 説教の 邦訳も,改めて 紹介しておきます.

LGBTQ みんなの ミサ 世話人,ルカ 小笠原 晋也

2022年4月18日月曜日

主の復活 おめでとうございます!

Caravaggio (1571-1610), Maria Maddalena in estasi (1606), collezione privata(なぜ この絵を 復活祭のメッセージのために使うのか については 以前の記事を 参照してください)

主の復活 おめでとうございます!

と言っても,Vladimir Putin による 侵略戦争のせいで ウクライナの人々が 悲惨な状況に 置かれている さなか,Papa Francesco の Urbi et Orbi の メッセージ も,戦争や紛争が続いている地域に生きる人々を 思いやるものに なりました.

一日も早く 殺戮と破壊が やみ,主の平和が もたらされますように!

さて,朗報も あります.Covid-19 の 全世界的流行のせいで 2020年03月以来 26ヶ月間 中断されていた わたしたちの LGBTQ みんなの ミサを,来月から 再開します.従来どおり,毎月 第 3 日曜日の 午後,都内の 某カトリック施設の 聖堂で 行います.司式してくださるのは,鈴木 伸国 神父さま SJ を はじめ,LGBTQ カトリック信者たちの司牧を 喜んで引き受けてくださる 神父さまたちです.問合せ と 申し込み は lgbtcj@gmail.com へ.

カトリック教会 全体としては,今年01月に紹介した記事「カトリック教会は LGBTQ 信者へのアプローチを 変えつつある」で 述べられているように,Papa Francesco の 包容的な司牧的配慮の効果が 一部の超保守的な司教や大司教たちを除く カトリック教会 全体に 行き渡りつつあるように 思われます.神に感謝!

特に,リュクサンブール大司教 Jean-Claude Holleriche 枢機卿 は,今年の 2月02日付で発表された インタヴュー記事のなかで,「homosexuality は 罪である という 教会の教えは まちがっている」と 断言しました.また,ミュンヘン大司教 Reinhard Marx 枢機卿 は,今年の 3月13日,ミュンヘンの 聖パウロ教会で,その地の LGBTQ カトリック共同体の ミサの 開始 20周年を 記念する ミサを みづから 司式し,そして,そのミサのなかで,カトリック教会が LGBTQ の 人々を 差別し 傷つけてきたこと について,謝罪しました.

カトリック教会が,神の 全-包容的 (all-inclusive) な 愛に 忠実に,LGBTQ 信者たちに対して ますます包容的となってゆきますように!

最後に,ちょっと 思い出したこと,そして,そこから 思いついたことを 付け足します.

Papa Francesco は,教皇として 初めて おこなった 主日の正午の Angelus の際(2013年03月17日)に,神の慈しみ と 罪の赦し について 語りつつ,1992年05月に ブエノスアイレス大司教区の補佐司教に叙階された直後に 経験した あることを,回想しています.彼が 告解のための待機を終えようとしていたとき,ひとりの みすぼらしい外見の 老女 — 年齢は 多分 80歳 以上 — が 彼のところに やってきました.彼が「nonna[スペイン語では abuela : 老女に対する 親しみをこめた 呼びかけ;日本語では「おばあさん」に相当するだろうが,今 日本では 自分の祖母ではない老婦人に 親しみをこめて「おばあさん」と呼びかけることは もはや しないだろう],告解をしますか?」と 訊くと,彼女は「はい」と 答えます.「でも,もし あなたが 罪を犯していないなら...」と 彼が言いかけると,彼女は「わたしたちは 皆 罪を犯しています!」と 答えます.「しかし,多分,主は 皆を 赦してくださるわけではないでしょう...」と 彼が言うと,彼女は「主は すべてを 赦してくださいます!」と 自信を以て 断言します.彼が 驚いて「signora, あなたは どうして そう言えるのですか?」と 尋ねると,彼女は こう答えます :「もし 主が すべてを赦してくださらないのなら,世界は存在しないでしょう」.彼女の答えを聞いて,彼は 彼女に こう問いたくなります :「signora, あなたは Università Gregoriana で 勉強したのですか?」 以上の対話の回想に続けて,Papa Francesco は こう言います :「なぜなら,彼女の答えは,聖なる息吹 [ lo Spirito Santo ] が 与えてくれた 知恵 — 神の慈しみ関する 内的な知恵 — であるからです」.

もし 主が すべてを赦してくださらないのなら,世界は存在しないだろう (Se il Signore non perdonasse tutto, il mondo non esisterebbe) — 罪の赦し と 神の慈しみ に関する Papa Francesco の 説教において 述べられた この命題を,わたしたちは こう言い換えることができます:もし 主が すべてを愛してくださらないのなら,世界は存在しないだろう — なぜなら,Papa Francesco は こう結論しているからです :「神は,愛に満ちた 父 — 常に 赦してくださる 父 — 我々 皆 に対する 慈しみの 心を 有する 父 — である」.

ということは:あるものが存在している ということの 可能性の 条件は,神が それを 愛してくださっている ということである.要するに:存在とは 神の愛である.

存在とは 神の愛である (das Sein ist die Liebe Gottes) — この命題は,Heidegger の テクストのなかには 見出されません.誰か 神学者が そう言っているでしょうか? 御存じの方は お教えください.

主が 愛をこめて わたしたちに 吹き込んでくださった 聖なる息吹が わたしたちを生き続けさせてくださいますように.

2022年4月12日火曜日

LGBTQ みんなの ミサを 5月から 再開します!

2022年03月13日,München の 聖パウロ教会で,その地の LGBTQ カトリック共同体の ミサの 開始 20周年を 記念する ミサを 司式する München und Freising 大司教 Reinhard Marx 枢機卿.彼は,このミサのなかで,カトリック教会による LGBTQ に対する 差別について 謝罪しました.

LGBTQ みんなの ミサを 5月から 再開します!


Covid-19 の 全世界的流行のゆえに,わたしたちの LGBTQ みんなの ミサも,2020年03月以来,中断を余儀なくされてきました.

ですが,SARS-CoV-2 ウィルスの 弱毒化 と ワクチン接種の普及に 鑑みて,わたしたちのミサを 26ヶ月ぶりに 2022年05月から 再開したいと思います(公衆衛生的な諸条件に重大な変化の無い限りで).

原則的に 毎月 第 3 日曜日(5月は 15日)の 午後,都内で 行います.

司式してくださるのは, 上智大学準教授 鈴木伸国神父さま SJ を 始め,LGBTQ カトリック信仰共同体の活動に御理解のある 神父さまがたです.

問い合わせ と 申し込み の 宛先は 以下のとおりです:

LGBTQ みんなの ミサ 世話人 ルカ 小笠原 晋也
tel. 090-1650-2207

Jean-Claude Holleriche 枢機卿さま : homosexuality は 罪である という 教会の教えは まちがっている


Jean-Claude Holleriche 枢機卿さま : homosexuality は 罪である という 教会の教えは まちがっている


Jean-Claude Holleriche 枢機卿さまは,2022年02月02日付で Domradio のページに発表された インタビュー記事において,インタヴュアーの問い "Und wie gehen Sie dann mit der kirchlichen Lehre um, dass Homosexualität Sünde sei?"[では,homosexuality は 罪である という 教会の教えを あなたは どう扱いますか?]に対して,こう答えています:

Ich glaube, dass das falsch ist. Ich glaube aber auch, dass wir hier in der Lehre weiterdenken. So, wie sich der Papst in der Vergangenheit geäußert hat, kann das zu einer Veränderung in der Lehre führen. Denn ich glaube, dass das soziologisch-wissenschaftliche Fundament dieser Lehre nicht mehr stimmt. Was man früher verurteilte, war Sodomie. Man dachte damals, in den Spermien des Mannes ist das ganze Kind erhalten. Und das hat man einfach auf homosexuelle Männer übertragen. Es gibt aber gar keine Homosexualität im Neuen Testament. Da ist nur von homosexuellen Handlungen die Rede, was teilweise heidnische Kulthandlungen waren. Das war natürlich verboten. Ich glaube, hier wird es Zeit, dass wir eine Grundrevision der Lehre machen.

わたしは,それは まちがっている と 思う.だが,わたしは こうも 思う:我々は 今や 教義において さらに考えを進めて行こう.つまり,教皇 [ Papa Francesco ] が かつて 表明したように,さらに考えを進めて行くことは 教義の変更へ 至り得る.というのも,わたしは こう思うからだ :[homosexuality に関する 現在の]教義の 社会学的-科学的な 基礎は,もはや妥当していない.人々が 以前 断罪していたのは,Sodomie である.当時,人々は こう考えていた:男の精子のなかに 子ども全体が 含まれている[であるから,膣 以外への 射精は,殺人に等しい].そして,人々は 単純に[Sodomie の問題を]homosexual の 男性たちへ 転移した.だが,そもそも,新約聖書のなかには homosexuality は 存在しない.そこでは,同性どうしの性的行為が 話題になっているだけであり,しかも それは 部分的には 異教徒の礼拝行為[神殿売買春]のことである.そのような異教徒の風習は[キリスト教徒に対しては]勿論 禁止された.わたしは こう思う:今や,我々は[homosexuality に関する]教義の 根本的な 見直しを 行う 時に 至っている.

このインタヴュー記事の概要は,カトリック新聞 2022年02月22日付に 紹介されています:

2022年1月12日水曜日

カトリック教会は LGBTQ 信者たちへのアプローチを 変えつつある

Papa Francesco, 2022年01月06日の Angelus にて


カトリック教会は LGBTQ 信者たちへのアプローチを 変えつつある


London で 発行されている 歴史ある カトリック週刊誌 The Tablet の website に,進歩派の vaticanist の ひとり Christopher Lamb が 今月 10日付で The Church is changing its approach to LGBTQ Catholics – analysis[教会は LGBTQ カトリック信者へのアプローチを 変えつつある — 分析]と題された 記事を 書いています.その記事は,従来 カトリック教会から 断罪され 排除されてきた LGBTQ の人々に対する Papa Francesco の 包容的な 司牧的配慮のうち 比較的 最近のものを まとめています.その記事を すべて 邦訳する必要は無いと思われますので,ひとつの象徴的な人事異動のニュースを中心にして,紹介します.

それは,今月10日付で 発表された 人事異動です:教皇庁 教理省の 第 2 位の ポスト 書記 (segretario) を 務めていた Giacomo Morandi 大司教(56 歳)を,Papa Francesco は,その職から 解き,北イタリアの Reggio Emilia-Guastalla 教区(大司教区ではない)の 司教に 任命した(肩書きは 大司教のまま).

これは,明白な 左遷です.その理由を,National Catholic Reporter 紙は 今年 予期されている 教皇庁の組織改革に 関連づけていますが,他方,イェズス会の America 誌は こう分析しています : Giacomo Morandi 大司教は,昨年03月15日に発表された 教理省の Responsum ad dubium[疑問への回答]— そこにおいて 教理省は 愛しあう同性どうしのカップルの関係を祝福すること(準秘跡として祝福すること)を 禁止した,なぜなら「神は罪を祝福しない」から — の 作成の 陰の首謀者 と見なされている.問題の Responsum ad dubium は,LGBTQ カトリック信者たちを とても傷つけた.その傷を癒すために,昨年,Papa Francesco は さまざまなメッセージを 発してきた(こちらの記事を参照してください : 1) パパ フランチェスコは 教理省の「同性カップルの祝福は違法」の判断に対して 批判的? ; 2) パパ フランチェスコは 最近の書簡で New Ways Ministry への感謝を 表明した ; 3) Papa Francesco の Sister Jeannine Gramick への 書簡).Giacomo Morandi 大司教を教理省から追放する この人事異動は,それらのメッセージの文脈のなかに 位置づけられる.

そのほか 記事のなかで Christopher Lamb は,LGBTQ カトリック信者のための司牧活動を積極的に展開し続けている Father James Martin SJ に対する Papa Francesco の 応援にも 言及しています.Papa Francesco は,2017年04月12日に James Martin 神父を 教皇庁の Dicastero per la comunicazione[コミュニケーション庁]の コンサルタント(計 13 人のうちの ひとり)に 任命し,また,2019年09月30日に James Martin 神父と 個別に接見していますが,さらに,昨年06月21日付の書簡で 彼の LGBTQ 信者のための活動に関して 彼に 感謝と励ましの言葉を 書き送っています.

また,直接 Papa Francesco にかかわることではありませんが,Christopher Lamb は,今月06日,Charles Scicluna マルタ大司教(彼は 教皇庁 教理省の ふたりの副書記のうちの ひとりでもあります)が 彼の大司教区に属する 司祭 David Muscat に対して 彼の homophobic な 発言のゆえに 厳重注意の処分を与えたことにも 言及しています — そのような理由で 司教 ないし 大司教が 司祭を処分するということは カトリック教会の歴史のなかで 先例の無いことなので.

問題の司祭 David Muscat は,彼の Facebook に,ある殺人事件の容疑者に関して「gay であることは 悪魔に取り憑かれていることよりも 悪い」と 投稿しました.それに対して,人権や社会正義の分野を担当する マルタ共和国政府の国務大臣 ふたりが 彼を 告発しました — 彼の発言は 特定の属性を有する人々に対する 憎悪を 公言するもの (hate speech) である という 理由で.その事態を受けて,Charles Scicluna 大司教も すばやく 彼に対する処分を 発表しました.David Muscat は,有罪と判断された場合,6-18ヶ月の禁固 と 23,000 euros の 罰金を課せられることになります.

司教 ないし 大司教が,司祭の homophobic な 発言を hate speech と見なして,当該司祭を処分する という事態は,カトリック教会の歴史のなかで 先例の無いことです.これも,LGBTQ に対する包容的な司牧的配慮を一貫して示し続けている Papa Francesco のおかげであることは,確かでしょう.


2022年1月11日火曜日

Papa Francesco の Sister Jeannine Gramick への 書簡

New Ways Ministry の 共同創立者,Sister Jeannine Gramick (1942- )


Papa Francesco の Sister Jeannine Gramick への 書簡


このブログの 昨年12月10日付の記事で 紹介したように,Papa Francesco は,USA の LGBTQ カトリック信者の団体のひとつ New Ways Ministry の 理事長 Francis DeBernardo に 宛てた 昨年05月03日付の書簡 および 昨年06月17日付の書簡において,New Ways Ministry が LGBTQ の 人々へ 手を差し延べてきた 隣人愛的 活動を 称賛しました.

そして,その後 明らかになったところによると,Papa Francesco は,昨年12月10日付の 手書きされた スペイン語の 書簡において,New Ways Ministry の 共同創立者の ひとり Sister Jeannine Gramick に 対しても,感謝を表明しています(America MagazineWashington Post の 記事を 参照).

その書簡の スペイン語 原文は 公表されていないので,英訳からの邦訳を 以下に 紹介します:

親愛なるシスター,

あなたの手紙に とても感謝しています.あなたの[カトリック信者として LGBTQ の人々ために 1971 年 以来 行っている 活動の]50周年に関するニュースを受け取って,うれしく思います.

あなたの手紙は,わたしに,神のスタイルを 思い起こさせます.神は,わたしたちとコミュニケィトするための 彼自身のスタイルを 持っています.わたしたちは そのスタイルを 三つの語で 要約することができるでしょう:近しさ,同情,優しさ.

そして,わたしは,あなたの 50 年間の 仕事 — それは,この 神のスタイルによる 50 年間であり,近しさと 同情と 優しさの 50 年間です — のことを 思います.

あなたは,近しさを 恐れなかった.そして,近しくあることにおいて,あなたは,ともに苦しみつつ[同情しつつ]働き,姉妹の優しさと 母の優しさとを以て 働き,そして,誰をも断罪しなかった.

シスター ジャニーン,あなたの 近しさと同情と優しさ すべてのゆえに,あなたに感謝します.

わたしは あなたのために 祈ります.わたしのために祈ることも 忘れないでください.ヤーヨ* に よろしく.

イェスが あなたを祝福してくださるように.そして,聖なるおとめが あなたを護ってくださるように.

兄弟愛を以て,

フランシスコ

* : Yayo Grassi のこと.彼は,1964-1966年に アルゼンチンで 高校教師をしていた Jorge Bergoglio(当時,既に イェズス会士であったが,まだ 司祭に叙階されては いなかった)の 教え子であった.今は,Washington DC で ケータリング業を 営んでいる.彼は,gay であり,長年,同性パートナーと生活をともにしている.2015年09月の訪米の際,Papa Francesco は,Yayo Grassi と 彼のパートナーとを Washington DC の 教皇大使館に 特別に 招いて,彼らを祝福している.